
だから家族に分かってほしい
メンタル不調時の
アレやコレ
お互いの笑顔を守るための
「正しい理解」と「サポート」のヒント
リワークステップⅣ共同課題としてプレゼンテーションを行った資料を一部改訂し、掲載しております。
うつ病などのメンタル不調はつらい病気です。近しい家族でさえ、その苦しみを理解することは難しいものです。このページでは、実際にメンタル不調を経験し、リワークプログラムの全過程を終了したYAMA氏とMOTO氏が家族の皆様に向けて作成した資料です。家族や周囲の方たちの理解があることで、本人の回復は大きく変化します。
本人が辛い状況から回復するためには、安心して治療に取り組める環境と休養が大切です。
メンタル不調の治療には時間が必要です。ですが、必ず治ると信じて寄り添うご家族の力が、本人の回復にとって、なにより大きな力となります。
まずはメンタル不調について、YAMA氏とMOTO氏(2人合わせて山本護守印帳)の実体験をもとに正しく理解して頂けると、大変ありがたいです。


山本護守印帳
YAMA氏
MOTO氏
やま もと ご しゅ いん ちょう
共同課題発表者
決して家族に迷惑をかけたいわけじゃない。
今できる範囲で、
一生懸命努力しています。
家族を心から大切に思っているからこそ
どうか知ってほしい。
参考文献
こころの健康情報局スマートナビゲーター
千葉県精神神経科診療所協会
マンガでわかる心療内科
目 次
1メンタル不調とは何か
正体がわからない
「見えづらい不調」
を言葉にする
2不調時に起きること
本人の中で生じている
「3つの変化」
3発表者の実例
護守印帳YAMAの場合
護守印帳MOTOの場合
4家族にお願いしたいこと
回復をそっと支えるために
「できること」
「さけたいこと」
1メンタル不調とは何か?
正体がわからない「見えづらい不調」を言葉にする
「脳や心」のエネルギー低下
メンタル不調は「気持ちの問題」や「なまけ」ではありません。
体が風邪をひいたりケガをするのと同じで、心身のエネルギーが極限まで枯渇した”具体的な症状”です。
身体症状として、頭痛・めまい・動悸・胃痛・吐き気・倦怠感などがあります。
外から見えづらく、本人も葛藤する
ギプスの様に外から見えるサインがありません。そのため、周囲に誤解されやすく、本人自身も
「なぜ動けないのか」理由がわからず深く苦しんでいるケースが多々あります。

「怠け」ではない防衛反応の真実
周囲からの見え方
●やる気がないように見える
●急に不機嫌に見える
●何を考えているかさっぱりわからない
本人の中で実際に起きていること
●頑張りたいのに本当に動けない
●すべての刺激に耐える心の余裕がない
●相手に説明する気力が残っていない
実際は脳の機能が限界を迎えています
うつ状態を呈する主な精神疾患

典型的なうつ病
脳のエネルギーが完全に枯渇した状態です。強い憂うつ感や意欲低下がほぼ一日中、2週間以上持続します。本人の意思だけでは決してコントロールできません。

持続性抑うつ障害
(気分変調症)
軽度から中等度のうつ状態が2年以上の長期間にわたり絶え間なく、慢性的に続く状態です。
本人の元々の性格や、怠けと誤解されやすい疾患です。

非定型うつ病
典型的うつ病と比較して非定型は夕方に悪化しやすいと言われています。過食や過眠が目立つのも症状の一つです。気分が外的要因で上がるという大きな特徴があります。

適応障害
特定の明確なストレス原因(仕事や人間関係など)があり、その環境から離れると、うつ症状が和らぐのが特徴です。速やかな環境の調整と休息が不可欠です。

自律神経失調症
自律神経失調症は、ストレスなどで自律神経の調整が乱れ、めまい・動悸・倦怠感・不眠などの多様な症状が継きます。

双極性障害(躁うつ病)
極端に活動的になる「躁(そう)状態」と、激しく落ち込む「うつ状態」を繰り返す心の病気です。単なるうつ病とは薬物療法などのアプローチが異なります。
2 不調時に起きること
本人の中で生じている
「3つの変化」

思考の変化
●あらゆる物事をネガティブな方に解釈、考えてしまう。
例)失敗、欠点ばかりを極端に大きく捉える➡失敗の過大評価
・何をしても「どうせ無理だ」と考えてしまう。
・先のことを考えると最悪の展開ばかりを想像してしまう
●考えを一つにまとめることが難しくなる
●重大・日常問わず判断力がガクッと落ちる
●同じ嫌なことが頭の中で何度もグルグルする➡反芻(はんすう)思考

感情の変化
●感情の起伏が激しくなる
例)怒りやすくなる
涙がとまらなくなる
楽しいと感じられなくなる
落ち込みやすくなる
●強い不安や焦りに襲われ落ち着かない
●感情が麻痺して分からなくなる
(喜怒哀楽が消える)
●音や光などの刺激に敏感になり、起伏の自制が困難になる

行動面の変化
●動き出すまでに非常に長い時間を要する
例)起床時、布団から中々出ることが出来ない。出勤前に動けず、身支度に極端に時間がかかる
●人と会う場面を避ける
●ミスや忘れ物が増える
●家事をやるのが億劫になる
●家族に対して暴言を吐くようになる

YAMAの場合
ある日、思考停止し、無感情に
今振り返る「3つの限界サイン」
●職場内で移動があった
過剰に職場に適応しようとした。
出来ない自分を責める毎日だった。
●睡眠の悪化(中途覚醒・早朝覚醒)があった
就寝前に人生観について考える毎日であった。
●異常な行動
自宅で際限なく仕事をしていた。
病気療養中も仕事をしていた。
休日の無断出勤をしていた。
救われた具体的な声掛け
「回復するまで休めばいいよ」の母の言葉に救われた。
自分を受け入れられ、安心感があった。
「お前は甘えている!」と他人と比較をする父とは度々、
口喧嘩になった。
3 発表者の場合

YAMAの場合
ある日、思考停止し、無感情に
今振り返る「3つの限界サイン」
●職場内で移動があった
過剰に職場に適応しようとした。
出来ない自分を責める毎日だった。
●睡眠の悪化(中途覚醒・早朝覚醒)があった
就寝前に人生観について考える毎日であった。
●異常な行動
自宅で際限なく仕事をしていた。
病気療養中も仕事をしていた。
休日の無断出勤をしていた。

YAMAの場合
ある日、思考停止し、無感情に
今振り返る「3つの限界サイン」
●職場内で異動があった
過剰に職場に適応しようとした。
出来ない自分を責める毎日だった。
●睡眠の悪化(中途覚醒・早朝覚醒)があった
就寝前に人生観について考える毎日であった。
●異常な行動
自宅で際限なく仕事をしていた。
病気療養中も仕事をしていた。
休日の無断出勤をしていた。
救われた具体的な声掛け
「回復するまで休めばいいよ」の母の言葉に救われた。
自分を受け入れられ、安心感があった。
「お前は甘えている!」と他人と比較をする父とは度々、
口喧嘩になった。

MOTOの場合
ある日、突然起き上がれなくなった
今振り返る「3つの限界サイン」
●趣味の喪失
大好きなツーリングに興味がなくなった。
●睡眠の乱れ
夜中に何度も目が覚めるようになった。
●決断力の低下
簡単なメールでも色々考えてしまい、以前は簡単にできていた作業なのだが、送るのに20分も掛かってしまっていた。
救われた具体的な声掛け
「最近眠れている?」
➡具体的な声掛けならば、自分の現状を答えられた。
「最近どう?」という声掛けには「大丈夫」と強がってしまっていた
4 家族にお願いしたいこと
回復をそっと支えるために出来ること、避けたいこと
不調時に「避けてほしい」NG行動
「気にしすぎ」「考えすぎ」と軽はずみに口にする
本人の意志では制御できない症状です。気の持ちようとして片づけられると、孤独感がさらに増します。
「もっと頑張れ」と励ましすぎる
本人は既に限界まで頑張った果てに倒れています。過度の励ましはさらに追い込むかたちになります。
他人と比較をすること
「あの人はやれているのに」という比較は、本人の自尊心を著しく傷つけ、回復を大きく遅らせます。
感情的に問い詰めること
理由を理論的に説明する気力や言葉は残っていません。
感情的に理由を問うと深く追い詰める結果になります。


不調時に「してほしい」積極ケア
急かさず、落ち着く時間を許してほしい
焦る気持ちは本人が一番抱えています。「何もしない、何もしなくていい時間」をそっとあげてください。
アドバイスより「話を聞く」こと
解決策を提示されるよりも、「今つらいんだね」と否定せずに聞いてもらえることが最大の安心になります。
できていることを認める
「起きられた」「ご飯を食べられた」など、当たり前に見えることでも認めてもらえると早く回復します。
「何か手伝えることある?」の一言
一人ではない、孤立していないと感じられるこの問いかけが、心の避難所になります。
家族ができる具体的なサポートステップ
❶役割の調整
家事や予定の分担を一時的に引き受け、本人に物理的な余白を作ってあげます。
❷聞き役に徹する
話を聞くときは、結論やオチ、解決策を急がず、ゆったりとした姿勢で傾聴します。
➌短いやりとり
体調が悪い日は無理に話さずせず、YES・NOで応じられるような短い対話に留めます。
➍「波」の容認
良い日と悪い日の繰り返し(波)があることを理解し、「休んでいい」雰囲気を作ります。

